ごぼう設計工房

暮らしも仕事も、ここから始まる。
1年かけてわが家をセルフビルド

工藤邸(自邸)

工藤邸(自邸)

設計士として独立して「ごぼう設計工房」を立ち上げるにあたって、自ら設計・施工を行い、家族3人で暮らす家を建てました。私たちの思いがぎゅっと詰まった住まいを紹介します。

家族で暮らす家を、自分たちでつくる

私たち一家がこの家に暮らし始めたのは、2017年の春のことです。独立して設計事務所を立ち上げることを決めたとき、なじみのある土地に家を建て、家族と暮らしながら仕事をしていきたいと考えたのが、家づくりのきっかけでした。

私は大学で建築を学んだ後、アトリエ系設計事務所、リフォーム会社を経て、設計・施工を担う設計事務所兼工務店でキャリアを積んできました。学生時代からの夢だった独立にあたり、これまでの経験を生かして、自分たちで家を建てる「セルフビルド」を決意しました。

私も妻も埼玉県出身のため、県内で土地を探し、幸手市で理想に近い場所に出会いました。南側に開けていたことと、アトリエと庭をつくれる広さが決め手になりました。

敷地が決まってからは、妻と一緒に建てる家のイメージをふくらませました。「細長い敷地を生かして、奥に母屋、手前にアトリエの小屋を配置」「母屋は平屋」「広い玄関」「明るく、家族の気配が感じられる空間」といったイメージをベースに、プランニングをしていきました。

アトリエ外観。ブルーの外壁は左官屋さんオリジナル。左側のドアが作業場、右のドアは事務所に続いています。
アトリエ外観。ブルーの外壁は左官屋さんオリジナル。左側のドアが作業場、右のドアは事務所に続いています。
「ごぼう設計工房」のロゴマークのサークル上の五つのマルは、お施主さん・設計者・現場監督・職人・材料を表現しています。
「ごぼう設計工房」のロゴマークのサークル上の五つのマルは、お施主さん・設計者・現場監督・職人・材料を表現しています。
事務所は、自宅の目の前ながら独立した空間。集中して仕事に取り組むことができます。
事務所は、自宅の目の前ながら独立した空間。集中して仕事に取り組むことができます。

住まい手の暮らしを、やさしく包む家

設計だけでなく、施工も自ら行ったため、1年がかりの家づくりとなりました。私は、家づくりには施主・設計・現場監督・職人・材料の五つの要素がきちんと機能することが重要だと思っています。それまでは設計と現場監督の経験があったので、自宅を建てるのは五つの要素すべてを経験できるチャンスだと思いました。一人でできない部分は仲間の手を借りつつ、外構も含めて家づくりのすべての工程に関わりました。

こうしてできあがった家は、無垢の木と漆喰壁の風合いが心地よい、オープンな空間になりました。2017年に引っ越してきてからは、夫婦で少しずつ手を入れています。タイルを貼ったり、必要なところに収納を増やしたり、子どもが生まれたら遊ぶところを考えたり、暮らしに合わせて少しずつつくってきた感じです。

この家に暮らすようになって、改めて建物は器であり、そこで営まれる暮らしがメインだということを実感しています。そして、そうした思いを設計に反映させていきたいと考えるようになりました。設計だけでなく施工もできることが強みなので、幅広い視野に立ってお客さまの家づくりをお手伝いできたらと思っています。また、妻も「整理収納アドバイザー」の資格を取得し、よりきめ細かく暮らしに寄り添う家づくりをサポートしています。

自宅の玄関扉を開けると、目の前には薪ストーブのある土間スペース。そしてリビング、ダイニング、キッチンがひとつながりとなった空間が広がります。
自宅の玄関扉を開けると、目の前には薪ストーブのある土間スペース。そしてリビング、ダイニング、キッチンがひとつながりとなった空間が広がります。
ウッドデッキに面した掃き出し窓と、高窓からの光に満ちるリビング。大きな白い壁はプロジェクターの映像を投影することができます。壁際の造作収納はベンチとしても使えます。
ウッドデッキに面した掃き出し窓と、高窓からの光に満ちるリビング。大きな白い壁はプロジェクターの映像を投影することができます。壁際の造作収納はベンチとしても使えます。
キッチン側からダイニング、リビングを見たところ。開口部が景色を切り取ります。
キッチン側からダイニング、リビングを見たところ。開口部が景色を切り取ります。
キッチンは、壁付け+アイランドの作業台で構成。作業台のカウンターには、余った床材を活用し、水に強い塗料を塗って仕上げました。左手にはパントリーがあります。
キッチンは、壁付け+アイランドの作業台で構成。作業台のカウンターには、余った床材を活用し、水に強い塗料を塗って仕上げました。左手にはパントリーがあります。
キッチンは、ダイニングやリビングにいる家族と会話しながら料理ができるようにしました。ダイニングテーブルと椅子は、那須の家具作家さんの工房を訪れて選んだもの。ブラックチェリーのテーブルは1650×850㎜の大きめサイズで、大勢でテーブルを囲むことができます。
キッチンは、ダイニングやリビングにいる家族と会話しながら料理ができるようにしました。ダイニングテーブルと椅子は、那須の家具作家さんの工房を訪れて選んだもの。ブラックチェリーのテーブルは1650×850㎜の大きめサイズで、大勢でテーブルを囲むことができます。

地域にひらいた場として、つながりを生む

「ごぼう設計工房」での役割分担は、私が設計・施工、妻が広報とワークショップを担当しています。ワークショップは、月に1度、自宅を開放して行っています。テーマは、料理や季節の手仕事など。お子さま連れもOKなので、参加者みなさんで楽しんでいただけたらと思っています。

また、「ごぼう設計工房」に新築やリフォームを依頼してくださるお客さまには、まずは自宅に来ていただいています。我が家の空間を体で感じてもらって、お客さまはどんな暮らしを望んでいらっしゃるのかをお伺いしています。

使っている建材についても、お客さまにバリエーションを見ていただくため、柱は杉、梁は米松を用い、床は部屋によってさまざまな樹種を使い分けています。LDKはブナ、廊下は桜、寝室はナラ、トイレはオニグルミ、納戸は杉を使いました。経年変化による色合いなども確認していただけます。

住まいは、建てて終わりではありません。完成して日々暮らしを営む中で、家族とともに育っていくもの。メンテナンスやリフォームなど、小さなことでもお気軽にご相談ください。私たちの家づくりでは、お客さまと末長いお付き合いをさせていただきたいと思っています。

壁側から見ると、玄関のシューズクローゼットと、廊下のアールをつけた下り壁がアクセントになっています。畳敷きの小上がりは多目的に使えるスペース。上部のロフトにはシーズンオフの道具類を収納しています。
壁側から見ると、玄関のシューズクローゼットと、廊下のアールをつけた下り壁がアクセントになっています。畳敷きの小上がりは多目的に使えるスペース。上部のロフトにはシーズンオフの道具類を収納しています。
小上がりに面して造作の棚を設けました。右下にはルンバのためのスペースが。壁の四角い窓の向こう側は玄関。
小上がりに面して造作の棚を設けました。右下にはルンバのためのスペースが。壁の四角い窓の向こう側は玄関。
コーナーの一角に、夫婦ともに大好きなリサ・ラーソンのコレクションを飾っています。
コーナーの一角に、夫婦ともに大好きなリサ・ラーソンのコレクションを飾っています。
アール壁越しに、ダイニングを見たところ。天窓からの光が降り注ぐよう設計しました。
アール壁越しに、ダイニングを見たところ。天窓からの光が降り注ぐよう設計しました。
天窓からは、その日の天気や太陽の動きを感じることができます。
天窓からは、その日の天気や太陽の動きを感じることができます。
二方向に窓を設けた寝室。壁の珪藻土は左官屋さんと一緒に塗りました。
二方向に窓を設けた寝室。壁の珪藻土は左官屋さんと一緒に塗りました。
大きな洗面ボウルのある脱衣・洗面室。床には水まわりに適したコルクを張りました。
大きな洗面ボウルのある脱衣・洗面室。床には水まわりに適したコルクを張りました。
洗面室の奥のバスルーム。タイルをベースに、アクセントで木を使っています。
洗面室の奥のバスルーム。タイルをベースに、アクセントで木を使っています。
廊下の突き当たりがトイレ。トイレにも窓を設け、明るく快適な空間にしました。
廊下の突き当たりがトイレ。トイレにも窓を設け、明るく快適な空間にしました。
トイレの手洗いコーナー。タイル壁や陶器の手洗いボウルで楽しい雰囲気を演出しています。
トイレの手洗いコーナー。タイル壁や陶器の手洗いボウルで楽しい雰囲気を演出しています。
工藤邸(自邸)
種別 新築
用途 住居
竣工 2017年3月
所在地 埼玉県幸手市

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